スンコダン関連の話題が続いています。我々フィリピン武術界隈でもスンコダンが熱いです。
フィリピン武術(FMA: Filipino Martial Arts)では、相手を誘導し誤認させる技術が戦いの重要な要素となります。今回、FMA PulseがYouTubeに投稿した 「FAKE OUT and BAIT in FILIPINO MARTIAL ARTS | SUNGKUDAN MULTI SYSTEM | GM FELIX GUINABO | ARNIS」 では、「Enganyo(エンガーニョ)」 という概念が紹介されました。
この技術は相手を「誘導」することで本当の攻撃を隠し、相手に誤った防御を取らせる戦術です。本記事では、動画の内容を詳しく解説し、「Enganyo」の実践的な活用方法について掘り下げていきます。
1. Enganyo(エンガーニョ)とは?
「Enganyo」はスペイン語に由来し、「誘導する」「欺く」という意味を持ちます。フィリピン武術においては、相手に防御行動を取らせつつ、実際には異なる攻撃を仕掛けるフェイント技術を指します。
この技術の目的は、相手にブロックさせることを意識させ、動きを制限させることです。その結果、相手は次の攻撃に対して適切な反応が取れず、こちらの攻撃が成功しやすくなります。
2. Enganyoの基本的な動き
① フェイク攻撃で相手の反応を引き出す
動画では、GM Felix Guinabo(フェリックス・ギナボ師範)が「Enganyo」を使って、相手に防御を強制する様子を示しています。
最初に、相手の注意を引くためにフェイントを仕掛ける。
相手がブロックの姿勢を取ると、すぐに別の角度から実際の攻撃を繰り出す。
これにより、相手の動きをコントロールし、反応を予測することが可能になる。
たとえば、右側から打ち込むと見せかけて、左側へ攻撃を変えるといった形が基本の戦術です。
3. Enganyoの実践的な応用
「Enganyo」は単なるフェイントではなく、相手の心理と動作をコントロールする高度な戦術です。以下のような場面で特に有効です。
① 相手のディフェンスを崩す
相手がディフェンシブな構えを取っている場合、Enganyoを使って無理にでも動かすことができます。相手のガードを開かせることで、次の攻撃のチャンスが生まれます。
② 連続攻撃と組み合わせる
Enganyoを1回だけで終わらせるのではなく、コンビネーションの一部として組み込むと、より効果的です。フェイントを連続で仕掛けることで、相手は次に何が来るのか予測できなくなります。
③ 実戦での応用
動画内では、棒術(Arnis)を使ったデモンストレーションが行われていますが、素手の戦闘やナイフ戦にも応用可能です。例えば、ジャブを繰り出して相手のガードを誘導し、すぐにフックへ切り替えることで、効果的な攻撃を実現できます。
4. Enganyoのトレーニング方法
「Enganyo」を習得するには、以下の練習方法が役立ちます。
① ミット打ちでフェイントの精度を高める
ミットを持ったパートナーと練習し、フェイクの動作を素早く繰り出す訓練を行います。
② 実戦形式のスパーリング
実際のスパーリングで「Enganyo」を試すことで、相手の反応を観察しながら技術を磨きます。
③ 動画を見ながら動きを研究する
GM Felix Guinaboのデモを参考にしながら、自分の動きを鏡や動画でチェックし、修正していくことが重要です。
5. まとめ
「Enganyo」は単なるフェイントではなく、相手を操る高度な戦略です。特にフィリピン武術では、攻撃の流れを作るために必須のスキルとなります。
Enganyoとは? → 相手をブロックに誘導し、別の攻撃を繰り出す技術
実践での応用方法 → 相手の防御を崩し、連続攻撃と組み合わせる
トレーニング方法 → ミット打ち、スパーリング、動画分析
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